ジュンパ・ラヒリ

久々に素晴らしい短編小説が読みたくなり、
本屋で物色。

結構権威に弱いというか、まあ確実なので、
ピューリッツァー賞など数々の文学賞をを総なめにしたという
ジュンパ・ラヒリの"停電の夜に"にした。

彼女は在米のインド人作家。
アメリカに住むインド人のリアルな視点が描かれてる。

九編の短編が入っていて、八割型読んだけど、
後味がちょっと惜しいな...という印象。
「ああ〜ここで終わるんだ。もうちょっと続きがあってもいいな」と思う話が多くて。

でもキャラクター設定や状況の選別が上手だな、と思う。

 

終わらせ方は、カナダ人のアリス・マンローか
中国人のイーユン・リーのが好みだな。

老いも若きも、金持ちも貧乏も様々な状況のインド人が出てくるけど、
思っている事は、どこの国も同じ。

数年前、福岡から東京までの新幹線で隣にインド人のおじさんが座って来た時、やたらクッキーやジュースをくれて

「御礼なら僕じゃなく神様にしてくれ」と天を指差して言っていたが、

この小説を読んでいる限り、”お菓子を用意する”のはインド人の

当たり前の作法らしい。

 

いろんなシチュエーションでお菓子をあげるインド人っていうのが出て来るから。インドは人とのつながりが密なんだろうな。

 

日本人は人との距離感を大事にする民族だから、その日本に来たインド人は寂しかったんだろうな...と思う。

名古屋を過ぎたあたりから会話の内容がだんだん下ネタセクハラ方面になってきたので嫌になってインド人のイメージが低下してしまったんだけど。