都内の図書館でアンネ・フランク関連の本が
計300冊ほど破かれるという事件が続いている。
昨年末から始まって、
被害が甚大だからついに警察が特別捜査本部まで作ったのに、
未だに犯人は捕まっていない。
この事件、私が最初聞いた時に思ったのは
「ええ!深町さんびっくりしてるだろうなあ」でした。
深町さんというのは、
アンネ・フランクの日記を翻訳した深町真理子さん。
彼女の本を昨年末たまたま読んでいたのです。
(読んだきっかけ→
父親が
「玄関に積んである本、全部捨てるやつだからいるなら持っていきな」
と言うので、
「またこんなに...毎回毎回もったいないな!」
と思いつつチェックしたら
この深町さんの本(「翻訳者の仕事場」)があり、
「あ、これちょっと翻訳者になりたかった高校生くらいの時に
父親が買っててなんか印象に残ってた本...今頃になって捨てるのか」と思い、
持って帰ったのだ。)
その深町さんの本を読んでいると、
基本的に翻訳者が普段どんな仕事をしているか、
またどういう人生を経て翻訳者になったのか、という内容が綴られていて、
なかなかに興味深い。
著者本人が「翻訳者は言うてみれば舞台における”黒子”なので、本来こうして
舞台(=本の中身)に出て来ることはないのですが」と言ってる。確かに!
アンネ・フランクの日記自体は今まであんまり良く知らなかったのだけど、
ハイライトシーンで「な、なんと私があのアンネ・フランクの日記の翻訳という大仕事をまかされる事になった!」みたいな事が書かれていたのを読んだ時に「へーアンネ・フランクの日記の翻訳をするというのは大層な事なのだなあ」と思ったのだった。
彼女はもう30年程、年間に何十冊、これまでに翻訳してきた本は何百冊!というくらいたくさん手がけているのに、その彼女からしても
”アンネ・フランク”つったら別枠!なんだなあ、と...。
なので、深町さんが大変緊張して挑んだ大作、
それが都内で誰かにビリビリ破られ続けるという
この事件を、彼女が今どう捉えているのかに
非常に興味があるのだが、
そこを突っ込んで翻訳者に意見聞きに行く記者はいないだろうなあ〜。
どんな犯人像が考えられるかなあと思って
想像してみるけど、わかんないなあ〜。
どんな人物が、何の目的でそんな事をし始めたのか、
知りたい今日この頃。