LOVE展

そのうち行こうと思っていたら、
あっという間に終了目前になっていて、
慌てて一人で行って来た。

いやーさすが六本木ヒルズ、
森美術館十周年記念というだけあって、
かなり見応えありました。
ついつい「総額いくらなんだろう...1500円で見ていいのだろうか」
と思ってしまうくらい、参加アーティストも、
作品の規模も大きい!

会期終了前の駆け込みだったけど、見に行って良かった。
久々だったのでギャラリーショップもじっくり見て、
気付いたら三時間も経っていました。でもその分すっかり堪能。

規模が大きくあまりに作品量が膨大で、
一番心に残ったのは何だろう...と悩むけど、
帰りがけに隣り合った展覧会帰りの二人が
「浅田家を知れて良かった」と話していたのが耳に入り、
「分かるよ〜」と話に飛び入り参加してしまいそうだった。

(浅田家と言うのは、
写真家の浅田政志さんが彼の家族である
父、母、兄と四人で消防士やラーメン屋、
いろんな職業になりきって撮った家族写真のシリーズ。
皆それぞれ役になりきってて、何とも言えず微笑ましい。
十枚くらいあったのかな〜写真、どれも甲乙つけがたかった。
彼らは、家族愛のコーナーの展示。)

http://www.asadamasashi.com



あとは、割と単純ではあるけど、
暗室で30秒のカウントダウンの後、
ストロボで「love」って文字がビカッと光り、
数十秒間それが目に焼き付いて離れないという作品が、
個人的には面白かった。
(人体の機能を生かした作品に惹かれがちだなあ)

他には、ブラーのミュージックビデオにもなったという
アニメーション作品。
モノクロで、可愛いのにシニカルで、私好みだった。
羽の生えた生き物とリスに種族を超えた愛が芽生えるけど、
リスがうっかりその生き物食べちゃって...
頭蓋からダラ〜っと血のような液体こぼれ出るし、
そのせいで仲間から迫害を受け、リスも無残に殺されてしまう。
と、かなりブラックで、グロかった。

http://www.youtube.com/watch?v=VRrJugyk1Yw


(皇后様がこの展覧会見たらしいけど、こう言うのにはどういう反応なんだろう...)

そして、会田誠の時もあったけど、今回もR18コーナーが設置されてた。

そういう方針になったのか?
(会田氏、今回は元カノのアーティストTANYさんにひたすら殴られ続けるという

ビデオ作品に参加してて、夜の公園でボコボコにされてました。うーむ、さすがやなあ。)
小部屋の展示内容は江戸時代の春画コーナーだったのだけど、
部屋にはずらっと若い女子の行列。

地上52階でお洒落なギャル達と何故こんなもん見てんのか...とふと我に帰る。
(お洒落女子のがそういうの普段見慣れないから興味あったのかもなあ。)

草間弥生の展示コーナーは写真が唯一許可されているので、
皆こぞってパシャパシャ撮りまくり、
なんというかアトラクション状態。

草間弥生本人がBGMで何やら詩を朗読しているのだが、
皆記念撮影に夢中で誰も聞いてやしない。
展示の部屋は、最後の方のメイン的なコーナーで
都会のビル群が見渡せ、
彼女のインスタレーションでは多用されるけども、全壁面鏡張り。
空間が無限に見える。
一人でじっくりその朗読聞きながらその世界に没頭出来たら、
見えてくる物があったのかもだけど、
お嬢さん達のノリが完全ディズニーランドだったね、ありゃ...。
そこはじっくり見れなくて、ちょっと無念。

たまにそういう場所におそらくは現代アート好きなのであろう
おじさんが紛れてる。(おじさんもデジカメで写真撮ってる)
こういう若い女子がきゃいきゃいしている場所とか、
ヴァーチャル初音ミクのコーナーなどは、
そのおじさん達が割と浮いている。

シャガールやマグリットの部屋では浮かないのに、
なんでだろうなあ。
まあ本人達もそんな事は気にしてないだろう。

たくさん部屋を見ていると、
人が集まる部屋とそうでない部屋と結構はっきり分かれている。
油絵や彫刻、写真は割と皆さらーっと流し見るけど、
音声や映像を使ってると、しばらく立ち止まって
「全体として何が言いたいのか」を見るみたい。

物体のみと違って時間が必要な作品は

「この後何かが起こるのかな?」と待つからかな。

 

特に参加型はやはり人気。

今回の唯一の参加型インスタレーション、

マイクに何か喋るとその言葉に反応して

やくしまるえつこの不思議な曲が会場にうっすら響き渡るというのは

超人気で、身動き取れなかったけど、確かに面白かった。

あの声と詩、独特な魅力。



いつも思うけど、
「ここ笑うとこなんじゃないの?」という映像作品など、
皆真剣な面持ちでじっと見てるのは、相変わらず可笑しい。
アーデル・アービディーンの「愛を確実にする為の52の方法」
という映像作品。
作家自身がNHK教育テレビのようなノリで
真剣に「女の子は壊れやすい花瓶のような物だからとにかくそっと扱う事」

「食事は気前良く奢っとけ。嫌がる女子はいない」とかレクチャーしてんのを

周りの男性全てがシリアスに見入っている...吹き出しそうになり、すぐにその部屋を出た。

でも考えたら一番実践的な部屋だったのかもね。

そこには、ありとあらゆる愛がありました。
なるほどねえ、これも愛、それも愛か...
(最後の部屋は「身を守る服こそが愛」だった。)

いっぱいありすぎて、
結局、愛ってなんだかわかんなくなりました。
それが狙い?