アゲハ蝶

天気の良い午前中、洗濯を干そうとベランダに出た。

 

ふと物干竿を見ると、何やら派手な物体が目に入る。

「ん?こんな雑貨持ってたっけ?」

一瞬、蝶の飾りのついた派手なハンガーを自分で購入していたのかと誤解したけど、

ほんまもんのアゲハ蝶が止まっていた。

 

本物と分かると、何故だか途端に恐怖が押し寄せて来て、

猛ダッシュで部屋に戻り、ベッドで布団に包まって、

「怖いよ〜怖いよ〜(声に出ている)」とおびえまくる。

 

か、、、格好わる。

なんだこのザマは。

 

蝶は多分普通に日向ぼっこしているだけなのだが、

何故大人になると虫関係があんなに怖いのだろう??

 

アゲハ蝶は、模様が結構いかつい。

何であんな派手なんだ。

妙に恐怖心を煽られる。

モンシロチョウならまだ素朴でマシかもしれない。

あの模様は、人間を怖がらせる進化の賜物としたら

見事に成功してます。

 

とにかくどっかに追いやるなんて事は全くの不可能状態。

体重5グラムかそこらの薄っぺらい生き物に、完全に降伏。

蝶の圧勝。

 

動かせないので、アゲハの気が変わってどっか行くまでこのまま布団に包まって

怯え続けるしかない、、、無力な人間よ。

恐怖のあまりに、床の上の小さなゴミとか、

何でも無いものにまでビクビク反応してしまう。

 

結局しばらく部屋で無様にビクビクしてたら、

アゲハはどっか別の木に移って行ったので、

無事に洗濯ミッションは終了した。ふ〜

 

 

以前父と習っていたスケッチ散歩という習い事で、

下関の公園で15人くらいとスケッチしている時、

藤棚の下で絵を描いていたら、ぼとっと超巨大芋虫が降って来た。

 

幸い、描き終わって近くをブラブラしていた時だったのだけど、

さっきまで私が描いていた場所付近だった。

直撃だったら、大げさでなくショック死してたかもしれない。

多分「怖いよ〜」なんて言う余裕も無くて、数時間口が聞けなくなると思う。

 

父は私の描いた絵でその芋虫を追い払おうとしたけど、

「それだけはやめてくれ」と離れた場所から必死で頼む。

 

普段何事も動じないスケッチの先生も、

「私も芋虫は無理なのよね」と、言っていたが

顔色は全く通常モードなのがすごいなあと感心したのであった、、、。