年明けて、もうほとんど一週間が建とうとしている。
早いものだなあ。
子供のころ、正月といえばうちでは独特の習わしがあった。
まず大晦日の夜に家族で門司港駅のカウントダウンにでかけ、
地元のおじさんたちの懐メロライブ演奏を聞いて自宅に戻り、
二〜三時間寝た後、まだ暗い元日の早朝に門司港の風師山という山に上り、
頂上付近まで行くと、無料(募金箱があるので自由にお金は入れてよい。)で
ぜんざいが振る舞われているのでそれを食べる。
そんで初日の出を見る。
(12年前の正月は、巳年だったので髪型をヘビ形にして登った。
18歳だったから。。。
さすがにもう30なので今年はヘビヘアーにはしていない。)
家に帰ってお雑煮やおせちを食べておじいちゃんちに挨拶に行った後は、
一日は映画千円だから映画を見に行く。
その次の日また早朝暗いうちから今度は佐賀の祐徳稲荷神社というところに行く。
そこで父の会社の商売繁盛祈願をしてもらうので、巫女舞を見る。
極彩色の広い御堂で四人の巫女さんが舞う。
BGMはゆったりとしたリズムながらドーンドーンと腹に響く太鼓の音と、
神主さんの「何とか会社の誰々〜なんたらかんたらかしこみかしこみ申す〜」
みたいな祝詞。延々低い声で続く。
ひたすら和風。寒いし、待つし、足がしびれる。
その後、しびれた足で真っ赤な長い長い階段を上る。
頂上の御堂で神様に葉っぱを渡す。(きっと全てに意味はあるのだろうが、分からないまま
とにかく一連の動作を真似る)
そんで帰りにおみくじをひく。金色のマスコットが入っているやつ。
それを一年財布に入れて持ち歩く。
その後、宿に戻り、お年玉をかけた七並べ大会。
死んだおじいちゃんがプロ級であった。
あの騙しのテクニックに、誰も敵わなかった。
金をかけると、皆目の色が変わる。
なんかこの一連の流れ全てが揃ってこそ「正月」だなあと思う。
でもまあこの全てが揃ってたのは十年前後かなあ。
うちの姉妹などは非常にドライで中学生くらいではもう
「えーカウントダウン?寒いし家でテレビ見てるわ」という感じでした。。。
私は全てを見るためにたとえ一人でも決行していた。 (何だろう、そういう性格。)
しかし今現在「元日ちょっくら山登って来るわー」っていうのが
さすがにもう止められてしまうので今では残っている風習は祐徳稲荷神社のみ。
門司港駅も改装中だし。
七並べはするんですけど。
時は流れ、風習も変わって行く。
今年は嫁いで初、向こうのご家族の正月を見せてもらった。
多分ごく一般的なのんびりとした年越し。
そういうのが逆に今までなかったなあと思う。
家っていろいろだ。
でもまあ幼少期のイメージは根強く残るので、
私にとって正月は上記のような全てが揃ってこそ「正月」と言える。