右ポケットに小さなリップクリームを
入れていた。
友達にもらったばかりのやつ。
いい香り。
隣にストーブを置いて作業していた。
右太ももが結構熱くなるくらい、
今思えば確かに近かった。
家を出る前にリップ塗っとこうと思って、
ポケットのケースを掴み、蓋を開けた。
ぱか
どろぉぉぉっっっっ
ぼたぼた液体が床に垂れた。
掌で受け止めようとしたが、
半分くらいしかもう容器に
残っていない。
あーあ...
か、かなしい
ごめんなさい...残りの半分を大事に使います...
あーあ......
勿体ないので手に残った液体を
ハンドクリームとして手に塗っておく。
其の間、私は無表情だ。
多分、今後もこんな感じだ。