好み



人の好みはパッと見じゃ分からない。

例えば怖い顔して可愛い物が好きな人もいるし
可愛い顔して怖い物が好きな人もいる。

怖い顔して怖い物が好きな人も
可愛い顔して可愛い物が好きな人もいるけど。

人は見た目やイメージ通りじゃないんだよね。

私は子供の頃、全く自分が好きな物や
欲しい物を言えなかった。

自分の中では明確に意見や好き嫌いがあるんだけど、
それを口に出す事が出来ないし、
逆に何で言わなきゃ分かってくれないのかが
わからなかった。(何故だろう?)

子供の頃祖父に
『誕生日に欲しい物はあるか』と聞かれ、
何かあったんだとは思うけど、
大人の建前で『ない』と答えた。
祖父はあっさり『そうか』と引き下がった。

『えっそんなあっさり!』と思ったが、
素直でない子供は、そういう事にして置いた。
まあ祖父は厳しい人だったので、
全く心を開いてなかった自分のせいでもあるのだが。
(祖父とは大人になったらまあ何とかなった)

その時に、
『家族だろうが他人だろうが、
欲しい物なんて言わなきゃわかんないんだな』と思った。
(一方、父は『あれが欲しい』と言うと最初『駄目!』と言うので普通に諦めるのだが、数日後玄関に置いてあるという…
だったら最初から『駄目!』って言わなきゃいいのに。

(ちなみに本だけは何でも買い与えるのだが)どういう心理?
母は、、、大学生の時、ちょっと手が出ない値段のブーツがあって『あれ欲しいんだよね。でも高いから諦めてる』と言ったら
『ちょっと高くても、大事にするなら買った方が後悔しない』
と言って買ってくれたが、スミマセン、流石に靴は消耗品で捨てました…でも散々履きました。牛皮編み込みのブーツ。)

 

で、欲しい物は言わなきゃ損だ、

テレパシーはないが、

言葉は通じるので便利だ、と思った結果、

何でも言うようになったら、今度は

“人が言わずにいること”が分からない。

 

皆、物の好みや思っていることは

それが人を傷つけない限りは

お互いの為に言った方がいいと思う。

(おじいちゃんも孫が遠慮するとか思ってなかったんだよね、多分。)

 

※あまりにズバズバ無邪気に言うと

それはそれでどうなんだというケースも多々ありますが。