the Ganges गंगा

ブログの最初の記事は何にしようと迷ったのだが、

川にしようと思った。

 

私が今住んでいる家の向かいには川が流れている。

ベランダからも十分見れるのだが、

私は一日に何度か家からちょっと離れた

その川のお気に入りのスポットに散歩に行く。

 

特に夕暮れ時が素晴らしい。

東京と違い、誰もいない。

 

引っ越してしばらくは

「なんて何もないんだろう」と思っていたが、

そんなことはなかった。

 

毎日空も川も大分表情を変える。

川は水面が鏡のようにしんと静かな時もあるし、

前日大雨だったりして、水面が謎の泡だらけの時もある。

 

夕方行くと、夕焼け空のグラデーションが

空だけでなく川にも映り込んでいるのは息を飲む。

 

 

そして何より、その風景が一見どうでもいいぐらい普通なところが

またいい。皆、全然誰もそんなの見てない。普通すぎて。

 

 

今日昼にまた行ったら、鳥の死体が落ちていた。

首から先が、何者かに食べられていて、無い。

たまに腐った巨大な魚の死体も落ちている。

 

すごい現実味がある。

 

一方で絶滅危惧種のヘラサギも

私みたいによく一人でその場所に来ている。

魚や鳥を食べてるのは、彼かもしれない。

 

白くて大きくて、ゆったり飛んでいて美しい。

 

タイトルをगंगा(ガンジス川)にしたのは

その生と死が入り交じった様子が

まだ行ったことないけど

インドのガンジス川のようだと思ったから。

 

その大河では、

日々川のほとりで結婚式やら葬式やらが執り行われ、

そのバックで普通に死体が流れているらしい。

人間の物も。

 

 

日本ではあんまり見られない光景だけど、

それはすごく普通のことなんだと思う。

 

鳥や魚の死体が突然生々しく落ちててびっくりするけど、

それをじっと見て空と川の毎日違う色を見て

一人で音楽を聞く。

 

 

それが今の私の日常風景だ。

 

 

riverside
riverside